地方出身者が語る、瀧本ゼミでの1年間

堀江健太郎さん 東京大学文科1類2年(インタビュー当時)

今回お話を伺うのは、政策分析パート代表(インタビュー当時)の堀江さんです。
堀江さんは2019年春に瀧本ゼミに入り、2020年春から新代表を務めます。

上京して何となく入ゼミして衝撃を受けた

ーまずは堀江さんが瀧本ゼミに入るに至った経緯を教えてください!

高校2年のときに通産省を舞台にした『官僚たちの夏』という小説を読んで、国全体の仕組みを変えられることが面白いなと思ったのがきっかけで、大学に入る前から政策に興味がありました。それで、「政策・官僚なら大学は東大の文一だよな」というくらいの感じで進路を決めました。僕は福岡の高校出身でその進路について詳しくアドバイスをくれる人もいなくて、結局、高校同期がいないまま一人で東大に進学しました。
サークルは「政策に関わりたい」と思って探していたのですが、アドバイスをしてくれる人もいなくて情報も大して手に入らなかったです。そこで、たまたま政策実践の実績がある瀧本ゼミを見つけて、「将来政策に関わる仕事をするときに役立つかもしれない」と感じ、入ゼミすることを決めました。

ーそれで、実際に初めて活動に参加してみてどうでしたか?

最初に新規メンバーの研修を兼ねた2日間の合宿があったのですが、いきなり「エビデンスに基づいて政策を作って発表してください。いいものがあったら実際に提案に行きますのでそのつもりで作ってください」と言われてリサーチが始まったのが衝撃的でした。アドバイスをもらいながらではあったのですが、これまで使ったこともないGoogle Scholarを使って論文を読みながら頑張ってリサーチしました(笑)
高齢者の転倒による入院・寝たきりが問題になる中、転倒重症化を引き起こす骨粗しょう症の検診受診率が低くて多くの高齢者が骨粗しょう症を自覚していないことに着目し、特定健診に骨粗しょう症検診付帯を義務化する政策を立案しました。立案のために、検診による治療増加のエビデンスだけでなく、政策により増加する検診費用や治療費と減少するであろう入院費の比較、しまいには骨粗しょう症治療の薬品効果まで2日間リサーチしましたね。ですが、いざ発表してみてもこちらの主張を覆すような厳しい反論がたくさん飛んでくるのでそれに応答しないといけなくて、その一連の流れに驚きました。こちらが2日間かけてリサーチしたイシューなのに、即興でゼミ生が出してくる反論がこれまた当を得ているんですよね。自分ではリサーチを徹底的にやったつもりでしたが、このゼミでは生半可なクオリティの発表で終わってはダメということを痛感しましたね。

ーなるほど、確かに最初の合宿はなかなかショッキングな体験だったかもしれませんね。そういう経験を他に授業などでしたことはありますか?

あんまりないと思います。東大の駒場でも初ゼミやALESAといって実際に論文を書く訓練をする授業があるので、やり込めばそれなりに質の高いものを作ることが可能かもしれません。ただ、デッドに余裕があるので割とのんびりしてしまいます。短時間で濃密なアウトプットを出して達成感を得られる機会というのはなかなか与えられてないと思います。あと、瀧本ゼミレベルの反論は他では受けられないと思います(笑)

瀧本ゼミだからこそ身についた視点

ー授業以外にも他のサークルの活動での経験と比較して瀧本ゼミならではの強みなどあったりしますか?

大きな視点で物事が考えられるという点が瀧本ゼミならではの強みだと思います。例えばボランティアサークルでは「目の前の人を助ける」、「今すぐできることを実行する」という活動が多くなってくると思います。これももちろん重要で意味のあることだとは思いますが、より大きな視点から問題全体の構造を分析して、より良い解決を目指すという視点を身につけることができるのは瀧本ゼミならではかなと思っています。

ーなるほど。ゼミで活動する中で実際にそのような視点が重要だと感じたことがあったのですか?

新宿区長に政策提案をするという駒場祭プロジェクトを担当していたのですが、一歩引いて全体を冷静に分析する力が求められていたと思います。データの収集や分析だけでなく、インタビュー調査をしてみたり、新宿区との渉外をしてみたりする中で、有用に思える政策であっても様々な利害関係が存在するため行政担当者が動きにくいケースがあることを実感しました。問題やそれを解決するための政策についてだけではなく、「誰を動かせばいいのか、その人を説得するためにはどういう情報が必要か、どこからその情報を引き出すべきか」と全体を見ながら戦略的に考えることが必要で、実際にプロジェクトを進める中で全体を見て戦略的に考える訓練ができました。

新代表として今後は瀧本ゼミの全国展開を目指すという堀江さん

ゼミで1年活動してみた心境

ー福岡から一人で上京してきたという堀江さんですが、瀧本ゼミでその後1年活動してみた心境はどうでしたか?

同じ高校の友人はほぼ地元に残っている中で、わざわざ東京に出てくるというのは自分の中では大きな決断でした。東京に出るメリットは社会の一線で活躍している人や生の情報に触れられる機会が多いことだと考えています。そういう意味では瀧本ゼミに入ったことで上京するメリットを大いに得られていると思います。徹底的なリサーチや侃侃諤諤の議論ができる場を得られて、知的好奇心を刺激されますね。また、OB・ OGの方と接する機会も他の団体に比べて多いのではないかと感じます。社会で実際に活躍してくれる人から一次情報を得られたり、キャリアパスについてアドバイスをいただけたります。

ー具体的にどのようなOB・OGの方がいらっしゃるのですか?

例えば、法学部から経済修士に首席でいった先輩、学長賞をとった学部の先輩、医師免許を持ちながら予備試験を通った方など面白い進路を歩んでいる先輩がいらっしゃって、とても刺激を受けます。また、OBが経営している会社から直接インターンの紹介をしてもらったり、お勧めの留学プログラムを詳しく紹介してもらったりというような機会の提供もあります。

ー最後に、同じ地方出身の新入生に対してメッセージをお願いします!

周りに流されないことが重要だと思います。高校の同期がいない中で進学したので、「こうすればある程度の成績が取れるし、要領よく遊べる」というような相場感が比較的なかったと思います。特に入学当初は友達ともそこまで仲良くなれていなかったので情報もあまり入ってきませんでした。このことは一見すると不利でリスキーに聞こえるかもしれませんが、実はそうではありません。ロールモデルがいないことで全力を出して大学生活に向かう必要性が出てくるので、かえって大きく飛躍できる可能性があるのではないかと僕は考えています。事実、瀧本ゼミでは地方出身者も多く所属し、目覚ましい業績をあげています。だから、周りの人間の選択に流されずに全力で自分の可能性を探ることが、ある意味で外れ値である地方出身者がとるべき戦略だと思います。

 

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