医学部女性減点問題 ゼミ分析レポート第一弾

NPO法人日本政策創造基盤・学生団体瀧本ゼミでは、医学部の女性減点問題について調査を行っております。弊団体では2003年度入試にまで遡り、各年度の医学部入学者に占める女性の割合(以下女性率)を、全国の私立大学から集計しました。

本レポートでは、医学部の数が限られている地域に着目し、「地理的に近接し、かつ入試科目と偏差値にほとんど差の無い2つの大学」を選び出し、分析を行いました。これにより、仮に分析対象となった大学群において顕著な女性率の差が見られた場合、それは偏差値・入試科目の配点の違いという要因ではない、別の要因によるものだと考えることができるからです。

まずは立地に着目し、分析対象を絞りました。北海道、東北、関東、東海、近畿、中国、四国、九州の8つのブロックに分けたところ、うち4つのブロックには医学部が0個か1個しか存在せず、また1つのブロックでは医学部が2つ以上あるものの偏差値がそれぞれ2.5以上ずつ違い、さらに1つのブロックでは15を超える数の医学部が存在しました。そこでこれら6つのブロックを排除し、残りの2つについて分析を行いました。

なお本記事での「医学部」とは医学部医学科を指すものであり、看護学科などのデータは除いています。

 

ケース1:あるブロック内にあるA大医学部(以下A大)とB大医学部(以下B大)(ブロック内の総大学数は2)

【立地】
ともに大都市の近郊にあり、両大学間は車で約30分

【A大とB大の偏差値】
河合塾医進塾のデータでは、過去5年間の偏差値が同じ
2018年度入試では、東進・河合・駿台全てが同じ偏差値をつける

【2017年度A大の一般入試科目】
(1次試験)数学:30%、理科:40%、外国語:30%
(2次試験)小論文:5段階評価 面接:5段階評価

【2017年度B大の一般入試科目】
(1次試験)数学:33%、理科:33%、外国語:33%
(2次試験)面接:非公表

【グラフ】

縦軸はパーセント(%)

このグラフからは、B大の女性率は05年以降一貫してA大を下回っています。

なおB大の2017年度入試では女性率が上がっていますが、合格者の女性比率でみると、2015,16,17年度では大きく変わっていません(具体的な数字で言うと、2017年度入試は2016年度入試に比べ合格者の女性比率が0.9%高くなっています)。ここから2017年にB大を蹴った受験生の男性率が高かったことにより、この年度のみ女性率が高まったことが示唆されます。

 

ケース2:あるブロック内にあるC大医学部(以下C大)とD大医学部(以下D大)(ブロック内の大学数は4)

縦軸はパーセント(%),E大とF大は同ブロック内の他の大学

このグラフを見ると、D大の女性率の伸びが低調であることがわかります。そこで立地、偏差値、入試科目の近いC大と比較を行います。

【立地】
ともに大都市の近郊にあり、川を挟んで車で約10分

【C大とD大の偏差値】
河合塾医進塾のデータでは、過去5年間の偏差値が同じ
2018年度入試では、D大の方が偏差値が1(東進、駿台)、0(河合)高い

【2017年度C大の一般入試科目】
(1次試験)数学:25%、理科:25%、外国語:25%、小論文:段階評価
(2次試験)面接:段階評価

【2017年度D大の一般入試科目】
(1次試験)数学:25%、理科:25%、外国語:25%
(2次試験)小論文:配点記載なし、面接:配点記載なし

【グラフ】

縦軸はパーセント(%)

D大の2016年の女性率は上がっていますが、これについては、D大が入試の詳細について公開していないため詳細な分析はできませんでした。

 

以上の二つの事例では、地理的に近接し、かつ偏差値や入試科目に大きな差のない大学の間で、経年で見て歴然とした女性率の差がありました。
またデータを見る限り、2大学間で女性率の明確な差が生まれ始めたのは、2006,07,08年度辺りであるように見えます。報道によると東京医科大学による女性受験者の点数操作は遅くとも2006年から始まっているとされており、この部分に関しても今後検証を進めてまいります。

なお弊団体では、私立大学だけでなく国公立大学の医学部の女性率に関する分析も行なっております。
より詳細なデータ、あるいはこの問題に関するお問い合わせは、瀧本ゼミ・日本政策創造基盤までご連絡を頂ければ幸いです。
お問い合わせは 日本政策創造基盤Twitter(@jasskjp) もしくは tsemi.seisaku@gmail.com からお願いいたします。
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(2018年8月15日)

日本政策創造基盤 https://twitter.com/jasskjp
瀧本ゼミ政策分析パート https://t-semi.jp

データ出典

河合塾医進塾 私立大学医学部偏差値一覧(最終アクセス2018年8月13日)
http://ishin.kawai-juku.ac.jp/exam/deviation/deviation2.php

医学部受験.jp 医学部・医大の偏差値について(最終アクセス2018年8月13日)
https://医学部受験.jp/deviation

東京医大、06年から得点操作…調査委が報告書 YOMIURI ONLINE(最終アクセス2018年8月13日)
https://www.yomiuri.co.jp/national/20180807-OYT1T50105.html
※2018/09/17追記:この記事はすでに削除されているようです

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